生きた化石

はじめに・・・

『生きた化石』と聞いて真っ先に頭に浮かぶのはシーラカンスですよね。でも『生きた化石』はシーラカンスだけではありません。普段見ることができない種類ももちろんいますが、動物園で見ることができる『生きた化石』もいますし、種類によっては飼育することも可能なのです。とても珍しい存在というイメージがある『生きた化石』ですが、意外と私たちの身近な存在なんですよ。

生きた化石とは?

化石とは、人間が地球上にあらわれるずっと以前の大昔に生きていた生物の跡のことで、古い地層から発見されます。化石として発見される生物の多くは、現代では既に存在しなくなっているものがほとんどです。アンモナイトや三葉虫だけでなく、恐竜の骨格の一部も化石として発見されていますよね。数千万年前から数億年前の地球にいた多くの生物は、化石としてしか見ることができないものばかりです。ですが『生きた化石』と呼ばれる種類の生物は、人間が地球上にあらわれるよりも前から、ほとんど姿を変えることなく現代でも生息している生物のことをいいます。生きた化石は、遺存種とも呼ばれることがあります。『生きた化石』とは、化石として発見されている生物と現在の姿があまり変化せずに生息しているものをいいます。生きた化石は、動物だけではなく植物にもいるんですよ。イチョウやメタセコイヤ、ソテツ、ゼニゴケなどが生きた化石と呼ばれる植物です。イチョウは、街路樹としてもよく使われていますし、銀杏も食材としてよく知られていますよね。これも生きた化石なのです。

生きた化石が出現した時期は?

私たち人間の先祖と言われるネアンデルタール人が誕生したのが、今から20万年ほど前といわれています、20万年前と聞いても、どれだけ昔なのか想像できないくらい大昔です。生きた化石の種類は、人間よりも古くから地球上に存在していたのです。数億年前から存在した種類もいるくらいです。時代によって、それぞれ呼び方がありますので、参考にしてください。

古生代

今から約5億7000万年前から2億5000万年前の時代を古生代といいます。恐竜もまだ出現せず、動物は水中で生活していました。地上には、植物が生えていましたが、動物はまだいなかったと考えられています。古生代の中期から後期にかけて、魚類の先祖が誕生しました。殻がある外側が固い生き物がたくさんいたことが化石からわかっています。

オウムガイ   シーラカンス   ラブカ   ゴキブリ   肺魚
                 
カブトガニ   カブトエビ            

中生代

今から約2億5000万年前から6500万年前の時代を中生代とよんでいます。この中生代に恐竜が誕生し、地上の生物も巨大化していきました。原始的な哺乳類は中生代からあらわれました。恐竜とともに生きてきた種類もいるんですよ。

アロワナ   カモノハシ   カンガルー   チョウザメ   ウミユリ
                 
エンドリケリー   ガーパイク   ピラルク        

新生代

今から約6500万年前から現代にかけての時代のことを、新生代といいます。新生代と聞くと、ごく最近のようなイメージを持つ人もいるかもしれませんが、新生代からの生きた化石は、動物園で見ることができる種類もいるので、身近な存在といえるでしょう。

ゾウガメ   ハリネズミ   キウイ   ダチョウ   ナキウサギ
                 
ライチョウ   カワウソ   トキ   ジャイアントパンダ   アフリカゾウ
                 
オカピ   オオサンショウウオ   タカアシガニ   ヤマネ