カンガルー

カンガルー

カンガルーのプロフィール

和名:カンガルー

学名:Macropus giganteus(オオカンガルーの学名)

目:フクロネズミ目

科:カンガルー科

体長:1.5~2m

分布:オーストラリア大陸、ニューギニア、タスマニア

オーストラリアの代表的な動物にカンガルーとコアラがいますよね。カンガルーもコアラもおなかの袋で赤ちゃんを育てる哺乳類として知られていますが、この育て方はとても珍しいんですよ。そんなかわいいカンガルーも太古の昔から姿を変えずに現代に残る生きた化石なのです。

カンガルーの生態について

カンガルーの出現時期

カンガルーは、今からおよそ6500万年前の中生代にはいたと考えられています。中生代というと、恐竜がいた時代としても知られていますが、恐竜のような強い生物と生きていて、よくカンガルーのような弱い生物が生き残れたと不思議ですよね。カンガルーたちは、恐竜が地球上からいなくなった後も、他の哺乳類と比べて弱かったために、どんどん追いやられて移動していきました。そして行き着いたのが、現在のオーストラリア大陸なのです。中生代から新生代の頃、オーストラリア大陸は他の大陸と陸続きでした。そのため、カンガルーたちが移動して生息するようになったのです。その後、オーストラリア大陸は今のように一つの大陸となったのです。

カンガルーの形体的特長

カンガルーのイメージといえば、ボクシングをするという腕が発達しているようにも思えますが、腕だけでなく足や尻尾も発達しています。オス同士で闘うときは、ボクシングをしますが、それ以外にも相手を蹴ったり噛み付いたりすることもあります。相手を蹴るときには、太い尻尾を足代わりに身体を支えているんですよ。走る時は、ピョンピョン跳びはねるようにして移動し、かなりのスピードになります。種類によって毛の色なども違いますが、茶色っぽい色や黄土色っぽいカンガルーが多いですね。

カンガルーの生態的特長

カンガルーは単独で生活するのではなく、集団行動します。オス1匹に対して複数のメスと一緒に生活しているのです。とても臆病な動物なので、1匹がビックリして走り出すと、その群れ全部のカンガルーが走り出してしまうくらいです。夜行性のため、昼間はのんびりと眠っているので、動物園などでカンガルーを見たことがある人は、カンガルーに対して活発なイメージがないかもしれませんね。

カンガルーの餌と捕食方法

カンガルーは草食ですので、地面にはえている草を食べています。一度食べたエサは一旦飲み込んだ後、再び口の中に戻してモグモグ噛み、また飲み込むという『反芻(はんすう)』を行います。また、時々歯が伸びすぎないように、樹皮をかじって歯が伸びすぎないようにしています。

カンガルーの繁殖方法

カンガルーは、おなかの中での成長を止めたり再開したりできる動物です。外の環境が子育てにふさわしい状態になっていなければ、細胞分裂を一旦とめることができるのです。外の環境が子育てできる状態になったら、再び細胞分裂を開始して子どもを産むのです。また、カンガルーは『有袋類』と呼ばれるように、メスのカンガルーのおなかには袋がついています。この袋の中で赤ちゃんを育てるのです。産まれたばかりの赤ちゃんカンガルーの大きさは1~2cmと非常に小さく、すぐには一匹で生きていくことができません。産まれてすぐの赤ちゃんカンガルーは自力で母カンガルーの袋に移動します。そして、この袋の中で約8ヶ月間生活するのです。

カンガルーの飼い方

カンガルーは、かなり大きい種類もいますが、ワラビーなどの小さな種類であれば自宅で買うこともできます。小さなカンガルーでもあるワラビーを飼う場合、犬や猫のようにはいきません。基本的にはしつけできないと思っていてください。トイレの場所を覚えることもありませんし、しかってもわかりません。とても自由奔放な動物なのです。ワラビーもカンガルーの仲間ですから夜行性なので、昼間はウトウトし夜になると活発に活動をはじめます。カンガルー(ワラビー)を飼うときは、犬や猫のような感覚では飼わないようにしてくださいね。カンガルーは草食動物ですから、エサは新鮮な草や野菜を与えてください。

カンガルーの生息地域と見られる場所

カンガルーはオーストラリア大陸とその隣にあるタスマニア島とニューギニア島で見ることができます。種類によって、生息地域が違い、乾燥した場所に生息するカンガルー、岩場で生息するカンガルーなど様々です。「この種類のカンガルーでないといや!」というのでなければ、オーストラリアに行けば、特別な地域でなくても見ることができます。ただ、カンガルーは基本的には夜行性の動物なので、昼間だとなかなか見ることができないかもしれません。そのような場合は、オーストラリアの動物園でも見ることができますよ。オーストラリアの動物園では、餌をやることも可能です。実際にオーストラリアでカンガルーを見た人によると「動物園のカンガルーはやる気がない」そうですよ。(笑)でも、これはきっと昼間で、夜行性のカンガルーにとっては眠いからかもしれませんね。もちろん、カンガルーはオーストラリアの動物園だけでなく、日本各地の動物園でも飼育されていますから、比較的気軽に見ることができる「生きた化石」といってもよいでしょう。

カンガルーの種類

カンガルーは実はとても種類が多い動物なのです。カンガルーの仲間は11の属にわかれ、更に90種類もの種類がいます。ここでは、カンガルー、ワラルー、ワラビーを紹介しましょう。この3種類は何が違うのでしょうか?

カンガルー

カンガルー属の中でも大型をカンガルーといいます。カンガルーの中には、草原に住む大きなアカカンガルーや森の中に住んでいるクロカンガルー、山に多いオオカンガルーなどがいます。

ワラルー

カンガルーとワラビーの中間の大きさのカンガルー属をワラルーといいます。名前もカンガルーとワラビーの混ざったような名前ですよね。大きさの違いだけでカンガルーとワラルーを分けているので、厳密な差はないといってもよいでしょう。

ワラビー

小型のカンガルーをワラビーといいます。ワラビーの場合は、大人の状態で体重が25kg未満の種類をワラビーと分類しています。カンガルーと比べて、身体に対しての尻尾の長さが若干短めです。カンガルーと違い、草原で見かけることは少なく森の中で生活している種類が多いです。