ピラルク

ピラルク

ピラルクのプロフィール

和名:ピラルクー(ピラルク)

学名:Arapaima gigas Cuvier

目:アロワナ目

科:アロワナ科

体長:200~300cm

分布:アマゾン川流域

環境:淡水

生きた化石の中でも長い歴史を持つ生物であるピラルク。あまり聞き馴染みのない方も多いかもしれません。ですが、ピラルクは世界最大の淡水魚として水族館でも、話題に取り上げることの多い生き物でもあります。では、生きた化石であり、世界最大の淡水魚と言われているピラルクについて。

ピラルクの生態について

ピラルクの出現時期

シーラカンスと同様に生きた化石としてよく知られているピラルク。シーラカンス同様に1億年以上の時をその姿を変えずに生きてきた、まさに生きた化石です。白亜紀からの出現で、シーラカンスよりは歴史が浅いものの、他の生きている化石と比べると、群を抜いて歴史の長い生き物になります。因みに、シーラカンスとは違い、ピラルクは絶滅したと報じられることはありませんでした。

ピラルクの形態的特長

なんといっても、ピラルクの最大の特徴であり、魅力とも言える部分は、その大きさです。ピラルクは、世界最大の淡水魚と言われており、過去の記録には、400~500cmにも及ぶピラルクが存在したといわれています。現在では、ピラルクの捕獲、ナイル川の環境が悪くなっていることもあり、300cmを超えるピラルクは見つかることが少なくなっているといわれています。それでも、100cmを超える魚は一般的に大きいと感じると思います。

ピラルクの生態的特長

アロワナ科に属するピラルクは、アロワナと似た特徴を持っています。まず、その大きな口と舌です。ピラクルの舌には、捕食したエサをすりつぶすためにあるかのような、たくさんの突起物が付いており、その様子はおろし器のようです。このピラルクについた突起は、柔らかくはなく、硬いので本当におろし器のような役割をするようです。

またピラルクは、他の古代魚であるハイギョやエンドリケリー(ポリプテルス)と同様に、エラ呼吸以外に、灰を使った呼吸法である、肺呼吸ができる魚でもあります。そのため、酸欠になることはありません。しかし、飼育環境下で、水面をふさいで飼育すると、魚ですが溺れてしまうことがあります。

ピラルクの餌と捕食方法

ボンッ!っと音を立てて捕食を行うピラルクの捕食行動は、豪快以外の何でもありません。捕食されないように、擬態している魚もいますが、小魚丸々を丸呑みして捕食するピラルクにはまったく関係ありません。ただ一口で、バクリといくだけです。

捕食後は、舌についているおろし器のような突起物を使って器用に小魚をすりつぶして食べます。このときに、小魚のうろこがピラルクの口から出てきて、お行儀が良いようには見えませんが、豪快な捕食シーンもピラルクの魅力といえます。

ピラルクの繁殖方法

魚としては、ピラルクは非常に珍しい繁殖方法の持ち主といえます。なんと、ピラルクはつがいで子育てをする魚なのです。基本的に魚は卵を産み終わったら、力尽きるか、別の場所へ移動します。ですので、子育てはしません。一部の魚でも子育てはしますが、つがいでは行わずに片親だけで行います。しかし、ピラルクはつがいで生まれた我が子の子育てをします。――といっても、ピラクルの稚魚が泳いでいる下の方で見守るように泳いでいるだけで、直接的に世話をするわけではないようです。

ピラルクの飼い方

ワシントン条約で保護されて、個体数を保っているピラルクですが、現在個人でも飼育ができる生き物となっています。流石に、小型の熱帯魚のように簡単に飼育することのできる生き物でもありませんし、金銭的な問題でもピラルクを飼育するのは容易なことではありませんが、個人で飼育できないわけではありません。

ピラルクも他の大型熱帯魚と同様に稚魚の時代には驚くほど高値で取引はされてはいません。ですが、ピラルクは成長が早くすぐに大きくなっていきます。大きくなると餌代はもちろん、水槽の水質、水温管理などの維持費も莫迦にはなりません。ですので、ピラクルの購入を考える場合には、その後もそれなりのお金がかかっても何十年も飼育できるかどうかを考慮したうえで購入してあげてください。

ピラルクの生息地域と見られる場所

立派なピラルクの個体を国内で見るのならば、やはり簡単なのは水族館でしょう。特に加茂水族館がオススメです。加茂水族館では、ピラルクーの餌付けショーが連日行われており、休館日でない限りは、見ることができるかと思います。また、ピラルク以外にもクラゲの餌付けや、アザラシ、ラッコのショーなども見られるので、ピラルクを見るついでに可愛い海の生き物の姿も存分に楽しめます。

しかし、ピラルクの野生の個体と対面したいと思う方もいるかと思います。それならば、ナイル川でピラルク釣りはいかがでしょうか?「まさか」とは思いますが、実はピラルクは釣る事ができたのです。しかし、現在はワシントン条約などの問題があり、釣っても問題ないかというと、微妙なところです。